会場:演劇博物館六世中村歌右衛門記念特別展示室
入館無料
六世中村歌右衛門(1917~2001)は、中村福助、中村芝翫の名跡を経て、中村歌右衛門を襲名した二十世紀を代表する名女形です。歌右衛門丈のこれまでの襲名披露は、いずれも歌舞伎座で行われました。特に歌右衛門襲名は、戦後の改装工事の完成を待って行うほど、歌舞伎座への思いは人一倍強いものがありました。また、歌舞伎座にとっても、歌右衛門丈の存在は非常に大きく、再興十周年改装披露記念、歌舞伎座百年など節目の年には、きまって当り役「京鹿子娘道成寺」を上演してきました。
歌舞伎座は、本年四月の興行を最後に新築工事のため休館となります。今回の展示では、その歴史とともに“歌右衛門丈にとっての歌舞伎座”を振り返ります。河村家よりご寄贈いただいた貴重な資料のなかから、小道具類、舞台写真、公演資料などを展示し、襲名披露のほかに、天覧歌舞伎、息子たちの初舞台、一門五人襲名など、歌舞伎座で行われた歌右衛門丈の公演をご紹介いたします。