休館日:3月20日、21日
会場:演劇博物館企画展示室Ⅱ
※シェイクスピア室(1階)の常設展示が関連企画となっております。併せてご覧ください。
入館無料
19世紀末、ロシアの舞台芸術は世界へむかって大股で歩みを進めていました。1898年にはスタニスラフスキーとネミローヴィチ=ダンチェンコによってモスクワ芸術座が創設され、メイエルホリドもここで俳優のキャリアを開始しました。この年の12月、チェーホフの『かもめ』が芸術座で上演されます。のちのバレエ・リュスの興行師ディアギレフが美術思想誌「美術世界」を刊行しはじめたのもこの年ならば、ペテルブルグの帝室マリインスキー劇場でミハイル・フォーキンがダンサーとしてデビューしたのも同じ年でした。10年後の1908年にはメイエルホリドがペテルブルグ帝室劇場専属演出家になり、翌1909年にはパリでバレエ・リュスが定期公演を開始。1911年にはゴードン・クレーグが芸術座で『ハムレット』を演出、1912年には小山内薫がモスクワを訪れ、この作品を見ています。
さらに1913年にはマヤコフスキーらがペテルブルグで「未来派パフォーマンス」を開催、モスクワではワフタンゴフがスタジオを創設、翌年にはタイーロフのカーメルヌィ劇場発足。そして1917年にはロシア革命が勃発し、革命前の美意識は労働者を中心とする別の観客を対象としたものへと変更・修正されていくことになるのです。本展では、20世紀初頭のロシア舞台芸術の怒濤のうねりをコレクションから辿ります。