enpaku 早稲田大学演劇博物館

イベント

特別展「演劇の確信犯 佐藤信」展示開催記念トークイベント

「劇場はだれのもの?」

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佐藤 信(さとう・まこと)
1943年生まれ。劇作家、演出家。俳優座付属俳優養成所を修了後、劇団自由劇場を結成。1968年、演劇センター68(現・劇団黒テント)に参加。「運動としての演劇」というテーゼを掲げ、黒色テントでの全国移動公演を展開。『鼠小僧次郎吉』(1971年・岸田國士戯曲賞受賞)や「喜劇昭和の世界三部作」(1975年-79年)を発表。ほかにもオペラ、舞踊、糸操り人形芝居、ショーやレビューと、幅広い分野の舞台演出を手がける。劇場空間と制作現場の最前線を知る実務家として、世田谷パブリックシアター初代劇場監督、座・高円寺初代芸術監督などを歴任。東京学芸大学や座・高円寺「劇場創造アカデミー」などで後進の育成にあたる。80年代よりアジアへの関心を深め、2017年に横浜に開設したアートセンター若葉町ウォーフでは、アジアの若手演劇人の交流と創作の場を創出。その功績が讃えられ、2019年に福岡アジア文化賞を受賞した。

 

本年6月をもって任期満了に伴い、座・高円寺の芸術監督を退任された佐藤信氏。次期芸術監督の選出をめぐっては、公募制としたことや、選考委員の氏名と全応募者の採点結果の公表、年間の事業予算額をふくむ業務にかかわる座・高円寺データの情報公開など透明性のある選考が話題となりました。半世紀近く公共と民間両方の劇場運営に携わってきた佐藤氏の活動の根底には黒テントにおける創作があります。「運動としての演劇」というテーゼを掲げ、1970年の初の黒色テントでの旅公演『翼を燃やす天使たちの舞踏』では、フランス革命を題材にしながら革命運動とは何かを問いました。その後の代表作『喜劇昭和の世界三部作』もまたそうであったことから、「革命」「運動」は佐藤信という作家を語る上で必須のキーワードだと言えます。そこで、今回は社会学者であり、演劇にも造詣が深い吉見俊哉氏をお招きし、吉見氏の視点から佐藤信の「運動としての演劇」を掘り起こしていただきます。70年代以降、黒テントで展開していた「運動としての演劇」が、のちの劇場運営にどのように結実していったのか。ひらかれた公共劇場を目指し、座・高円寺や世田谷パブリックシアターで様々な新機軸を打ち出し続けてきた佐藤氏は、いま、社会における劇場の役割についてどのように考えているのでしょうか。
本イベントは2部構成です。第1部では佐藤氏の創作について、何本かの舞台映像を上映しながら振り返り、第2部の吉見氏との対談へと続きます。ふるってご参加ください。

日時:7月25日(火)18:30-20:30(予定)18:00開場
会場:小野記念講堂
出演:佐藤信(演出家・劇作家)
   吉見俊哉(國學院大學教授)
   梅山いつき(近畿大学准教授)
定員:200人 ※要事前予約・先着順
申込期間:6月16日(金)10:00~7月19日(水)17:00
※定員に達した場合、期間前に受付と終了します
参加無料
主催:早稲田大学坪内博士記念演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点

【申込みを締め切りました】

プログラム(予定)

▼ 【第一部】
|18:30-19:20 上演記録をめぐって:佐藤信×梅山いつき(聞き手)
  
 <上映予定作品>(変更の可能性あり)
・ 阿部定の犬
・ 西遊記
・ 荷風のオペラ
・ 三文オペラ
・ 火曜日はスーパーで
・ 風のセールスマン
・ 亡国のダンサー

▼ 休憩
|19:20-19:30

▼ 【第二部】
|19:30-20:30
対談:佐藤信×吉見俊哉
司会:梅山いつき


【注意事項】
〇申込は先着順となります。定員に達し次第受付を終了いたします。
〇人数制限を解除してのご案内となります。ご心配な方はマスク着用をお勧めいたします。
〇当選者には参加券を送付いたします。参加券に記載の指示に従ってください。
〇イベント当日は、ご自宅にて検温を行っていただき、37.5度以上の発熱、その他風邪の症状
 のある方は、参加を見合わせてください。
〇行政の指導、今後の感染状況や兆候等を踏まえて早稲田大学が大学内の施設の使用を制限する
 判断を行った場合等には、イベントを中止や延期とさせていただく場合もございます。
※イベントは広報のため写真・動画撮影を行い後日公開する場合があります。予めご了承のうえお越しください。

河合 祥一郎
吉見 俊哉(よしみ・しゅんや)
國學院大學教授。デジタルアーカイブ学会会長。1957年、東京生まれ。社会学・文化研究。集まりの場のドラマ形成を考えるところから近現代日本の大衆文化と文化政治を探求、日本のカルチュラル・スタディーズを先導した。主な著書に、『都市のドラマトゥルギー』『博覧会の政治学』『新米と反米』『ポスト戦後社会』『大学とは何か』『夢の原子力』『アメリカの越え方』『視覚都市の地政学』『平成時代』『アフター・カルチュラル・スタディーズ』『五輪と戦後』『東京裏返し』などがある。

 


 

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