enpaku 早稲田大学演劇博物館

レクチャー

2015年度秋季企画展「Who dances ? - 踊っているのは誰か?」展 プレイベント

ジェローム・ベルによるレクチャー・パフォーマンス「ある観客/ Un spectateur」

日時:2015年2月12日(木)18:00-20:00(17:30 開場)
会場:小野記念講堂
定員:200人 ※事前申込制・通訳付
参加無料
申込方法:定員に達したため申込を締切りました。尚、当日空席があった場合にはご予約なしのお客様を順番にお席へご案内いたします。

主催:早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
協力:アンスティチュ・フランセ日本、国際舞台芸術ミーティング in 横浜 2015 実行委員会

Date: Feb 12 ,2015 18:00~20:00 Open 17:30
Venue: Waseda University (Ono Auditorium)
Admission free
The reservation will start on January 19 at our website !
Organized by Tsubouchi Memorial Theatre Museum, Collaborative Research Center for Theatre and Film Arts
Supported by Institut français du Japon, Performing Arts Meeting in Yokohama 2015 Executive Committee

国際的に著名なフランス人振付家、ジェローム・ベルによるレクチャー・パフォーマンス『ある観客 / Un spectateur』を開催します。タイトルの『ある観客』とは、舞台芸術を愛して止まないジェローム・ベル本人のこと。気鋭の芸術家であると同時に、劇場に通いつめた無類のダンス/演劇愛好者であるベルが、観客として目撃してきた数々のスペクタクルの神秘について身振りを交えて語ります。2009年にパリ、ブリュッセル、ニューヨーク、ロンドンなどの都市で行われて以来、封印されてきた伝説のレクチャーが、バージョン・アップを経て日本初公開となります。舞台の本質に迫らんとするジェローム・ベルの極私的ダンス・演劇論を、ぜひお見逃しなく!

ジェローム・ベル (ダンサー・振付家・演出家)
1964年フランス生まれ。フランス国立現代舞踊センター・アンジェ(CNDC)で学んだ後、ダンサーとして多数の著名な振付家の作品に参加。92年のアルベールビル冬季五輪では、開・閉会式の演出助手を務める。94年より自身の振付作品を発表しはじめ、代表作である『ザ・ショー・マスト・ゴー・オン』で、ベッシー賞を受賞。近作に、知的障害を持つ俳優たちが出演する『Disabled Theater』(2012)や、アヴィニョン国際演劇祭のための『Courd’honneur』(2013)などがある。

ある観客
私は、これまで観客として体験してきた演劇について話したいと思います。自身の芸術的実践から解き放たれた観客として。プロとしてではなく、自由かつ解放された観客、演劇の愛好者として。この講演は私の最上の趣味、つまり舞台鑑賞についてのものです。ここでお話しするために選んだ舞台は、社会的な問題のためでもなく振付家としての自分のためでもないのですが、私という個人にとって重要です。もし振付家としての私にとって決定的であった舞台作品について語るとなれば、全く違う講演になるでしょう。しばしば言うのですが、もし私が金持ちだったら舞台を創作していないでしょうし、働いてもいないと思います。舞台を創作するかわりに、観客として劇場の座席に座り、舞台をみることに時間(とお金)を費やしていることでしょう。劇場における最良の立場とは、振付家でも演出家でも出演者でもなく、一人の観客であることだと私は確信しています。観客は、舞台の面前にあって、より自由な存在であり、舞台作品の全体を体験することができる者のことです。観客とは、上演のすべてが収斂する焦点なのです。
ジェローム・ベル。パリにて、2015年1月

A spectator
I will talk about performances I have seen, I have experienced as a spectator, a spectator emancipated from my artistic practice. A free and emancipated spectator, an amateur of performances, not the professional one I can be. This performance is about my favorite hobby: watching performances .The performances I have chosen to talk about are important for the person I am not for the social subject, not for me as a choreographer. If I would talk about performances which have been decisive as a choreographer it would have been a total different performance. As I often say, if I would be rich I wouldn’t produce performances, I wouldn’t work, I would be a spectator, spending my time (and my money) seating in theater and watching performances instead of making them. I am convinced that the best place in a theater is not the choreographer or the director one, nor the performer one,this is the one of the spectator. The spectator is the one which is the freer in front of the performance, this is the one who is able to make the experience of the totality of the performance. The spectator is the point where all the performance converges.
[Jerome Bel, Paris, Jan. 2015]

「ある観客 / Un spectateur」
演出・出演:ジェローム・ベル
通訳:福崎裕子
制作: R.B. Jérôme Bel

「Un spectateur」
Created and performed by Jérôme Bel
Interpreter: Yuko Fukuzaki
Produced by R.B.Jérôme Bel


※本企画は、演劇博物館にて10月より開催予定のコンテンポラリーダンスをテーマにした「Who dances ? - 踊っているのは誰か?」展のプレイベントです。展覧会の詳細につきましてはHPにて随時告知いたします。なお、展覧会タイトルは変更となることがあります。
※本事業はJSPS科研費26884058(研究課題「ノン・ダンスの政治と美学」、研究代表者越智雄磨)の助成を受けたものです。

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