A Midsummer Night's Dream(2017)
ケリー・ハンター(フルート・シアター芸術監督)
劇団「フルート・シアター」の芸術監督として「ハムレット」や「十二夜」、そして自閉症のこどものための「テンペスト」や、自閉症の青少年とその家族のための「夏の夜の夢」を演出。これらの作品は、ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、トラファルガー・スタジオ、ブリッジ・シアター、オレンジ・ツリー劇場や、ルーマニア、ドイツ、デンマーク、スペイン、ハンガリー、アメリカ合衆国でも上演されている。また、2002年から2006年まで、芸術に触れる機会のないこども向けにシェイクスピア劇を上演する劇団「タッチストーン」の芸術監督を務めた。ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー、ロイヤル・ナショナル・シアター、イングリッシュ・ツアーリング・シアター、ヴェストゥルポルト劇団の作品に出演し、受賞歴のある役者としても知られている。著書には “Shakespeare Heartbeat”(2014)と“Cracking Shakespeare”(2015)がある。
キム・アビラ・コンデ
ハンター氏のもと、フルートシアターにて、定期的に自閉症の人々と活動を行っている。4歳から俳優訓練を受け、“The red band society”(TV3)、“Hache”(Netflix)などのスペインのテレビ番組や、国際映画 “Seve”、カタロニア映画 “Nadia” などの映画に出演。この3年間は、ナショナル・カタロニア・シアターの若手劇団テアトル・リユーレ(Teatre Lliureにも参加し、 “In Memoriam”(演出:Lluís Pasqual)、“El temps que estiguem junts”(演出:In Memoriam)、“El temps que estiguem junts”(演出:Pablo Messiez)などにも出演。“El temps que estiguem junts”では、最優秀脇役俳優賞を受賞。
シェイクスピア劇を用いて自閉症の若者たちとの演劇活動を学ぶ
日時:2019年8月7日(水)- 9日(金)各日10:00-17:00
会場:早稲田大学3号館8階808号室
講師:ケリー・ハンター(フルート・シアター芸術監督)、キム・アビラ・コンデ(フルート・シアター団員)
通訳:山田カイル(抗原劇場 / 若葉町ウォーフ)
対象:俳優、教師、社会福祉士など ※3日間ともすべての時間帯で参加可能な方
参加無料
定員:20人 ※要事前予約・定員を超える場合は抽選
応募方法:ウェブサイトの申込みフォームにて受付
応募期間:7月3日(水)10:00 - 7月17日(水)17:00
結果通知:7月24日(水)
【応募期間は終了しました】
主催:早稲田大学演劇博物館、新宿から発信する「国際演劇都市TOKYO」プロジェクト実行委員会
助成: 平成31年度 文化庁 地域の博物館を中核としたクラスター形成事業
※イベントは記録および広報のため写真・動画撮影を行い、後日ホームページや広報誌等での掲載を予定していますので、予めご了承ください。
※お預かりした個人情報は当イベントのご案内の目的のみに利用し、他の目的には利用いたしません。
【注】ご参加にあたっては、こちら(FAQリンク)をお読みください。
【ケリー・ハンターさんからのコメント】
イギリスの劇団「フルート・シアター」の芸術監督ケリー・ハンターと、同じく劇団員であるキム・アビラ・コンデが、自閉症の若者たちとの演劇活動に関心のある俳優や教師を対象として、3日間のワークショップを開催します。参加者は、シェイクスピア劇をベースに、感覚を駆使したドラマ・ゲーム「ハンター・ハートビートメソッド」を体験し、そのメソッドに基づいた簡単な劇の創作を試みます。
自閉症の若者たちとの活動に関する深い知識と自信を身につけるにあたり、これら先駆的なゲームを、その開発者から直接学ぶことのできるたいへんユニークな機会です。この活動は、そうしなければ社会活動から除外されたままでいる可能性のあるコミュニティに対し、シェイクスピア劇を提供することを可能にします。
アメリカの演出家であり、ハンター・ハートビートメソッドの支持者であるベン・ラナンは、次のように述べています――「2歳の時、私の兄弟は重度の自閉症と診断され、そのときから、私の彼を理解しようとする旅は始まりました。私は演出家としてのキャリアを通して、演劇の親密性とその兄弟の自閉症の硬直性を結びつけるプロセスを模索してきましたが、ケリー・ハンターさんは、そのプロセスを見つけることに成功しました。社会的スキルを教え、包摂を促進し、そして魂を目覚めさせるための、ハンター・ハートビートメソッドよりも効果的な方法は無いでしょう。そのプログラムは私の人生を変え、そして、私もそのメソッドを教えはじめて以来、それは、そのメソッドが提供する目覚めを経験した何百人もの人々の人生を変えました。」
ハンター・ハートビートメソッドは、自閉症のこどもや若者たちが遊ぶことができるようにと私が開発した一連の感覚ゲームです。それらは、声と体とともに遊ぶための他者を必要とするヒューマニティーのゲームです。これらのゲームは、生の実感に関するシェイクスピアの詩的模索の中から、とくに目と心、理性と愛、すなわち、私たちがどのように見て、考え、感じているのかということについてのシェイクスピアのこだわりを通して生まれたものです。そして、そのこだわりは、全シェイクスピア作品の詩の骨格を形成しています。自閉症の人たちは、自分を理解することに奮闘を要します。彼らの奮闘は、コミュニカティブで感覚的です――理性と愛の表現には、目と心を繋ぐというほとんど超人的努力が必要となります。私のゲームは、アイコンタクト、言語スキル、空間認識、表情、想像的な遊びなどを模索しつつ、見る・考える・感じることで登場人物が浮かび上がるシェイクスピア劇の瞬間に焦点を合わせることによって、自閉症のこどもや若者たちに自己を表現する機会を提供します。こどもたちは、その関係者全員が共通の人間的経験を共有しはじめる安全かつ愛情のある空間で、俳優とゲームを行います。これらの感覚ゲームは、自閉症のこどもたちのためのフルート・シアターの作品の基礎を形成しています。