2012年9月、ドナルド・キーン氏に、本学より早稲田大学芸術功労者として顕彰状が授与されました。氏が、若き日にコロンビア大学で本学出身の角田柳作氏に薫陶を受け、爾来、日本の古典文学や思想・芸能の研究、現代作家の作品の翻訳を通じて日本文化を広く世界に紹介してこられたことはよく知られています。その功績により、外国人の学術研究者として初めて文化勲章を受けられました。東日本大震災直後には日本国籍を取得し、氏の日本への深い思いは日本の国民に大きな感動を与えました。本学においても、1998年に名誉博士号を授与され、創立125周年記念講演では貴重な知見を披露されるなど、日本文学・文化について理解を深めるに大きく寄与されています。
演劇博物館は、本学のなかでも、キーン氏とはとりわけ深い親交を結んできました。それは、恩師の角田柳作氏が坪内逍遙に学んだというだけでなく、近松門左衛門をはじめとする日本の古典演劇研究を通じて、キーン氏が元館長の鳥越文蔵名誉教授と長年に渡り友情を育んで来られたことによります。そこでこの度、芸術功労者顕彰を記念し、キーン氏自ら多大なご業績の中から選んでくださった、日本演劇並びに当館との繋がりのある貴重な品々を関連所蔵品と併せて展示します。
会期:2013年5月21日(火)- 8月4日(日) 会期中無休
会場:演劇博物館1階 六世中村歌右衛門記念特別展示室
入館無料