本展が初披露となる豊富な新資料のなかでも特筆すべきは、幻の処女戯曲と言われてきた「ホクロ・ソーセーヂ」の自筆原稿と、初期の傑作『象』の元になった散文「アカイツキ」です。これらの資料は、まさに劇作家・別役実誕生の瞬間を私たちに追体験させてくれるでしょう。
別役氏は、常に犯罪や社会問題の背後にある不可視の構造を洞察し、社会の片隅でひっそりと生きる声なき者たちに耳を傾けてきました。コロナ禍を予言したかのような『街と飛行船』を70年代初頭に書いた別役氏の声に、私たちも耳を澄ませてみたいと思います。
2021年6月3日(木)~8月6日(金)(2021/5/14更新)
開館時間:10:00~17:00(火・金曜日は19:00まで)
休館日:6月16日(水)、7月7日(水)、22日(木・祝)、23日(金・祝)
会場:早稲田大学演劇博物館 1階 特別展示室
入館無料
主催:早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
※演劇博物館は、緊急事態宣言発令に伴う都の緊急事態措置に従い、特別展の開幕を5月17日から6月3日に延期いたします。(2021/5/14 更新)
※ご来館の際にはあらかじめ「来館にあたってのお願い」をご覧ください。
※東京都における緊急事態措置の発令、および早稲田大学新型コロナウイルス感染症対策本部の方針により、急な日程変更を行う場合がございます。最新情報は当館HPをご覧のうえご来館ください。
▼展示構成
・早熟な少年期
・友との出会いと絵画への関心
・創作ノート
・幻の処女戯曲「ホクロ・ソーセーヂ」
・ドラマツルギーの構築
・前近代の芸能への関心
・犯罪の不可避性に挑む
・『そよそよ族』の系譜
・予見的な作品
※写真をクリックするとオンライン展示をご覧いただけます。
▼記念企画
特別展「別役実のつくりかた――幻の処女戯曲からそよそよ族へ」記念企画として、「柄本明『ホクロ・ソーセージ』を読む」、「平田オリザ、別役実を語る」の2本を収録しました。各動画の公開は9月上旬を予定しています。詳細はWebページをご覧ください。
第1弾
「柄本明『ホクロ・ソーセージ』を読む」
出演:柄本明(俳優)
聞き手:岡室美奈子(演劇博物館館長)
Webページ:https://enpaku.w.waseda.jp/ex/14397/
第2弾
「平田オリザ、別役実を語る」
出演:平田オリザ(劇作家、演出家、芸術文化観光専門職大学学長)
聞き手:梅山いつき(近畿大学准教授)、岡室美奈子(早稲田大学演劇博物館館長)
Webページ:https://enpaku.w.waseda.jp/ex/14400/
【フォトスポットのご案内】
本特別展では展覧会の会場入り口にフォトスポットを設けています。入口に設置したベンチや電柱、別役実さんのお写真や「ホクロ・ソーセーヂ」のイラストを背景に記念撮影をいただけます。尚、その先の展覧会場、および会場内の資料群につきましては撮影を固くお断りしております。何卒ご理解・ご協力の程どうぞお願いいたします。
フォトスポット
幻の処女戯曲「ホクロ・ソーセーヂ」草稿
創作ノート
『象』の草稿と考えられる自筆原稿
『そよそよ族伝説』「おおうみの図」 別役実画(推定)