会期:2009年3月1日(日)- 8月3日(月)
会場:演劇博物館3階「現代」コーナー
入館無料
「大八車で筑豊炭坑へとおもむくまで 旅=芝居=生活というユートピア」~「鬼子母神から大観音へ都市の前衛へと昇華しない泥の礫」 道具、衣裳、台本、写真、宣材、イメージが彩る「もうひとつの芝居の可能性」の宣材資料。
【Part2】
会期:2009年7月6日(月)- 8月3日(月)
会場:演劇博物館2階企画展示室Ⅱ
入館無料
「メランコリア 死の舞踏」に登場した、幻燈の街角が再現される。「遠くにいて近いひと」水族館劇場に客演した、地方在住の役者たちが展開した「もうひとつの芝居」の宣材資料。水族館劇場とは1987年に桃山邑(ももやま・ゆう)を座付作者として九州筑豊で旗揚げされ、近年は東京・駒込大観音を拠点とする劇団です。北九州の炭鉱の村々へ大八車ひいて巡回していた初期から今日に到るまで、野外での上演にこだわって活動を展開しています。本公演を年一回しか行わないため、メディアで取り上げられることは少ないものの、大掛かりな特設テントを組み、数トンもの水を演出で用いる上演スタイルから根強い人気を誇っています。また、九十年代半ばから山谷・寿町・釜ヶ崎などの寄せ場、上野公園・新宿中央公園などで日雇い労働者やホームレス向けの「路上劇・さすらい姉妹」シリーズを上演。流浪する人々の場所に寄り添い、演劇の可能性を探る地道な活動は、今後なお一層評価されるに値するでしょう。また上演では大道芸人も投入し、見世物小屋の雰囲気を今日に伝える数少ない劇団でもあります。本展示では、そうした演劇史からこぼれ落ちてしまっていた活動の軌跡=航跡に光をあてます。芝居とは、「誰もまだ立ち会ったことのない場所を求めてゆく営為」とする水族館劇場は演劇博物館にてどのような空間を創出するのか。五月末には駒込大観音にて毎年恒例の野外劇「メランコリア」がひかえております。展示期間中には関連イベントも開催予定です。展示とあわせてご覧いただき、二〇〇九年の春夏は水族館劇場の世界をご堪能いただければ幸いです。