enpaku 早稲田大学演劇博物館

企画・特別展

特別展

「あゝ新宿―スペクタクルとしての都市」 展

あゝ新宿展_本チラシ_0523
会期:2016年5月28日(土)- 8月7日(日)
休館日:6月1日(水)、6月15日(水)、7月6日(水)、7月20日(水)
会場:演劇博物館・2階企画展示室 
入館無料
主催:早稲田大学演劇博物館・演劇映像学連携研究拠点
後援:新宿区
協力:磯崎新アトリエ、新宿区立新宿歴史博物館、株式会社紀伊國屋書店、劇団唐組、劇団唐ゼミ☆
企画協力:宮沢章夫(劇作家・演出家・批評家)、松井茂(詩人・情報科学芸術大学院大学准教授)、大塚聡(建築家・舞台美術)

1960年代、新宿は明らかに若者文化の中心だった。紀伊國屋書店、アートシアター新宿文化、蝎座、新宿ピットイン、DIG、風月堂、花園神社、西口広場……。そこには土方巽、三島由紀夫、大島渚、唐十郎、寺山修司、横尾忠則、山下洋輔らさまざまな芸術文化の担い手たちや若者たちが集結し、猥雑でカオス的なエネルギーが渦を巻いていた。新宿という街自体がハプニングを呼び込む一つの劇場、一つのスペクタクル、あるいは一つの祝祭広場を志向していたのだ。では、現在の新宿はどうか。かつてのようなエネルギーに満ち溢れた新宿独自の文化は失われてしまったのだろうか。
本展では、新たに発見された劇団現代人劇場『想い出の日本一萬年』(作:清水邦夫、演出:蜷川幸雄、アートシアター新宿文化、1970)の貴重な舞台映像や大島渚監督『新宿泥棒日記』(1969)の上映をはじめ、写真やポスターなどさまざまな資料から新宿の文化史を辿り直すとともに、新宿の今を検証する。そして磯崎新による幻の新都庁案で提示されていた祝祭広場の思想を手がかりに、祝祭都市新宿の未来像を構想したい。

【磯崎新の新都庁案とは】
 現在の東京都庁舎建設に際して、1986年に行われた指名コンペでは、9つのプランが提案され、そのうち8案は、100mを超す超高層案だった。唯一、磯崎新は、これに真っ向から対立する案を提出。磯崎は、新宿の文化が孕む「闇」の覚醒を画策していたのだ。
 本展では、未来の新宿文化を予言する意図で、展示室一室を使って、1986年に準備された、磯崎新による「東京都新都庁舎のためのプロポーザル」の原本とその全ページ、当時最新だったCAD(computer-aided design)による透視図を展示している。さらに、近年、磯崎新の新都庁舎計画を大胆に再評価したテレビ番組『幻の東京計画〜首都にありえた3つの夢』から、CG映像を上映する。

展示内容
【街×文化】
新宿老舗企業紹介パネル
新宿プレイマップ(発行:新都心新宿PR委員会)
新宿西口フォークゲリラ(写真提供:毎日新聞)
新宿ピットイン(写真:内山繁)
DIG/DUG(写真:中平穂積)

【空間×演劇】
映画『新宿泥棒日記』上映(監督:大島渚、製作:創造社、1969年、95分)
現代人劇場『想い出の日本一萬年』部分上映(作:清水邦夫、演出:蜷川幸雄、1970年、アートシアター新宿文化、約20分)
横尾忠則『腰巻お仙』『大山デブコの犯罪』シルクスクリーン(館蔵)
細江英公「十人の写真家による四谷シモン展」より集合写真(寺山修司・唐十郎・土方巽・金子國義ほか、1972年、オリジナル写真(ゼラチンシルバープリント)、サイン入り、館蔵)
他、写真・ポスター・チラシなど

【ドキュメント×新宿】
森山大道 『現代“河原者”』(1967年、写真提供:Akio Nagasawa Gallery ©Daido Moriyama courtesy of the artist and Akio Nagasawa Gallery | Publishing)
細江英公 『観世寿夫と土方巽』(1970年、写真提供:慶応義塾大学アート・センター、©細江英公)
加納典明 櫻社『盲導犬』稽古風景(1973年、作:唐十郎 演出:蜷川幸雄 出演:石橋蓮司、蟹江敬三、桃井かおり、他、写真提供:Akio Nagasawa Gallery ©Tenmei Kanoh courtesy of the artist and Akio Nagasawa Gallery | Publishing)
井出情児 『長沢節モノセックスショー』(新宿二幸、1960年代、©井出情児)
渡辺克巳 『ゲイボーイ、新宿』(1967年、国立近代美術館蔵、写真提供:MOMAT/DNPartcom、©渡辺克巳)
高梨豊 『ゴールデン街 摘人』「都市のテキスト 新宿」より(1982年、国立近代美術館蔵、写真提供:MOMAT/DNPartcom、©高梨豊)

【磯崎新×祝祭都市】
磯崎新 東京都新都庁舎計画コンセプトブック全ページ、シルクスクリーン

YOMIURI ONLINEの記事は以下からご覧ください。
・演劇博物館「あゝ新宿―スペクタクルとしての都市」展開催にあたって
(岡室 美奈子/早稲田大学坪内博士記念演劇博物館館長)

 

会場の様子

 
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