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シンポジウム

早稲田大学演劇博物館 国際シンポジウム

日本演劇・映画人の〈台湾時代〉―植民地舞台にみる文化的交錯―

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川上音二郎『オセロ』絵葉書 1903年初演
近年、「親日国台湾」というイメージが強くなりつつあるが、1895(明治28)年からの半世紀にわたって大日本帝国の植民地だった台湾は、「土匪(どひ)跳梁(ちょうりょう)」「生蕃(せいばん)蜂起(ほうき)」といった負のイメージを日本人の心に深く刻んでいた。そんな日本統治下の時代、数多の日本演劇人・映画人が台湾に進出し、植民地で〈舞台〉を建て、植民地にある〈舞台〉に上がり、植民地を〈舞台〉に新作をつくっていた。現地在住の日本人に向けた娯楽の需要、新興行市場の展開、植民地開発事業の一環、台湾演劇の品質向上など、理由はさまざまである。言葉や文化が全く異なる未知の土地で、日本演劇人・映画人はどのような活動を展開したのか? 作品を通して台湾についてどのような認識を示したのか? 異文化間の衝突をいかに解消したのか? 本シンポジウムでは、従来の日本演劇・映画史からこぼれ落ちている〈台湾時代〉に注目し、東アジアの文化的越境とその交錯について再考する。


日時:2019年11月13日(水)18:30-20:30(18:00 開場)
会場:早稲田大学小野記念講堂
登壇者:呉佩珍(台湾・国立政治大学大学院台湾文学研究所所長)、三澤真美恵(日本大学文理学部教授)、李思漢(早稲田大学演劇博物館助手)
コメンテーター:細井尚子(立教大学異文化コミュニケーション学部教授)、後藤隆基(早稲田大学演劇博物館助教)
定員:200人
参加無料・予約不要
使用言語:日本語(通訳なし)
主催:早稲田大学演劇博物館、新宿から発信する「国際演劇都市TOKYO」プロジェクト実行委員会
助成:bunkacho_logo 平成31年度 文化庁 地域の博物館を中核としたクラスター形成事業
協力:台湾・国立政治大学大学院台湾文学研究所、日本大学、立教大学アジア地域研究所

※イベントは記録および広報のため写真・動画撮影を行い、後日ホームページや広報誌等での掲載を予定していますので、予めご了承ください。
※文字通訳・手話通訳・場内誘導・お子様連れでの参加等をご希望の方は、10月30日(水)までにメールにてご希望の内容をお知らせください。ご相談のうえ、できる限りの対応を検討させていただきます。
E-mail:[email protected]

 

当日の模様

 
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※画像をクリックするとイベントレポートが開きます
 

プログラム

 
18:30 開会

18:35 第1部 講演

呉佩珍 台湾・国立政治大学大学院台湾文学研究所所長
「日本新劇と台湾―川上音二郎と太郎冠者(益田太郎)を中心に―」

三澤真美恵 日本大学文理学部教授
「植民地期台湾における日本人の映画活動」

李思漢 早稲田大学演劇博物館助手
「日本統治期台湾における素人義太夫の発展について」

19:50 休憩

20:00 第2部 パネルディスカッション/Q&A
「戦前の日本演劇・映画人は台湾で何をしたか」

コメンテーター
細井尚子 立教大学異文化コミュニケーション学部教授
後藤隆基 早稲田大学演劇博物館助教

20:30 閉会

※プログラムの一部を変更することがあります。ご了承ください。

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呉 佩珍 
シカゴ大学文明言語研究科修士、筑波大学文芸言語研究科博士(学術)。現在、国立政治大学台湾文学研究所准教授兼所長。専門は、日本近代文学、日本植民期日台比較文学、比較文化。著書に『真杉靜枝與殖民地台灣』(聯経出版、2013)、主な論文に「シェークスピア翻案劇『オセロ』と植民地台湾」(『異文化理解とパフォーマンス』春風社、2016)、「帝国残影の三部作-『あまりに野蛮な』、『葦舟、飛んだ』、そして『ヤマネコ·ドーム』」(『津島佑子の世界』水声社、2018)などがある。

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三澤 真美恵
日本大学文理学部中国語中国文化学科教授。専門は台湾史、華語圏映画研究。著書に『「帝国」と「祖国」のはざま――植民地期台湾映画人の交渉と越境』(東京:岩波書店、2010年)などがある。

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李 思漢
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助手(東洋演劇)。京都大学大学院人間・環境学研究科共生文明学専攻博士後期課程研究指導認定退学。専門は中国/台湾伝統演劇、日中比較演劇。論文に「日本統治期台湾における義太夫節浄瑠璃の上演について」(『〈文学と歌謡〉国際シンポジウム論文集』(国立台湾文学館、2016)「現代台湾における『桃花扇』の改作と上演について」(『演劇研究』第42号、2019)などがある。

 
 
細井 尚子
立教大学異文化コミュニケーション学部・文学研究科超域文化学専攻教授、立教大学アジア地域研究所所員。専門は演劇学。近年は東アジア文化圏の大衆娯楽について、近代化・グローバル化・興行などの面から考えている。

後藤 隆基
早稲田大学坪内博士記念演劇博物館助教(日本近現代演劇)。立教大学大学院文学研究科日本文学専攻博士後期課程修了。博士(文学)。専門は近現代日本演劇・文学・文化。著書に『高安月郊研究――明治期京阪演劇の革新者』(晃洋書房、2018)など。

 


 
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