enpaku 早稲田大学演劇博物館

附章 描かれた文楽人形

近松半二――奇才の浄瑠璃作者

附章 描かれた文楽人形

演劇博物館の錦絵コレクションは、およそ四万七千点に及ぶ。その中核は歌舞伎の役者を中心に描く、いわゆる役者絵である。しかし少数ながら人形浄瑠璃の舞台を描く錦絵も存在する。当館の役者絵コレクションの根幹を形成した坪内逍遙が述べる通り、歌舞伎であろうと文楽であろうと、その舞台を描く錦絵は「広く劇を考証しようとする者の大切な参考資料」である。この附章では、近松半二作品に限らず、当館所蔵の人形浄瑠璃を描く錦絵を紹介する。