enpaku 早稲田大学演劇博物館

日本演劇 — 近世 歌舞伎

Segawa Joko III Sketch of a Picture Signboard

3世瀬川如皐筆 『絵看板下絵帖』(せい せ がわ じょ こう ひつ え かん ばん した え ちょう)

 

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縦34.0×横24.0cm

3世瀬川如皐(1806~81)は、「与話情浮名横櫛」(お富与三郎)を書いた幕末の狂言作者。狂言作者は台本執筆だけでなく、番付や絵看板、大道具の下絵を描くことも重要な仕事であった。本図は元治1年(1864)4月江戸中村座「辻帷利生志度梵(つじがはなりしょうのしどでら)」上演時の絵看板下絵である。実際の看板制作は専門の絵師が担当し、彼らに腹案を伝えるためであれば、大まかな下絵で事は足りる。しかし如皐は細部に至るまで綿密に描いており、その几帳面な性格が窺われる。