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早稲田大学演劇博物館 特別展

【オンライン展示】競演!『三国志』の風雲児たち――日本・中国・台湾の華麗なる舞台(第Ⅲ期)京劇衣裳編

特別展「競演!『三国志』の風雲児たち― 日本・中国・台湾の華麗なる舞台」より、第Ⅲ期でお披露目した豪華絢爛な京劇衣裳をWEBで特別公開します。

京劇衣裳 【下】紅緞団龍箭衣(こうたんだんりゅうせんい)
【上】黒緞団龍馬褂(こくたんだんりゅうばかい)

代表人物:劉備
代表演目:『龍鳳呈祥』の中の「回荊州」の場
 
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「箭衣」はもともと明代の蠎袍の一つですが、清代の満州民族は馬に乗って箭(や)を射る際に、よくこのような様式の服を着るため、箭衣と呼ばれました。清代以降、箭衣の袖の部分は、馬の蹄を模った「馬蹄袖」に改良されたもので、満州民族の生活様式を反映しています。京劇舞台においては、帝王、大臣、武将から小役人まで、それぞれの箭衣の様式があり、帝王役は、基本的には略式の官服として道行の場面で着用します。

「馬褂」は清代以降の男性用の短い上着です。帝王役は、道行の場面で必ず箭衣とセットで着用します。劉備と孫夫人との結婚経緯を語る『龍鳳呈祥』という演目では、劉備役が場面に応じて、蠎袍、黄帔、馬褂と箭衣など複数の衣裳に着替えます。
 

京劇衣裳 粉紅緞散団龍箭衣【ふんこうたんさんだんりゅうせんい】

代表人物:呂布
代表演目:「轅門射戟」
 
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戦争の場面になるとよろいに由来する「靠(こう)」を着けますが、「轅門射戟」という演目では、呂布は対戦せず、矢を射るのみであるため、箭衣を着用します。また、粉紅(ピンク色)の箭衣はこの役が美男の若武者であることを示しています。
 

京劇衣裳 紅緞鑲辺女蠎【こうたんじょうへんじょもう】

代表人物:孫夫人
代表演目:『龍鳳呈祥』
 
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「蠎」は「蠎袍」の略称で、帝王、宰相、高級官僚が仕事中に着用する正装ですが、帝王の女性親族にも「女蟒」があります。男蟒より女蟒は丈が短く、更に「雲肩」(刺繍が配された肩掛け)という肩飾を付けます。元来、女蟒は縁(鑲辺)が付かないことを原則としていますが、梅蘭芳が「貴妃酔酒(きひすいしゅう)」を演じる際に、初めて女蟒に藍色の縁を配したと言われています。
 

展覧会情報

早稲田大学演劇博物館 特別展
競演!『三国志』の風雲児たち――日本・中国・台湾の華麗なる舞台
 
Webページ:https://enpaku.w.waseda.jp/ex/11041/
会期:
第1期 2020年9月28日(月)- 10月23日(金)【終了】
第2期 2020年10月26日(月)- 11月24日(火)【終了】
第3期 2020年11月26日(木)- 12月25日(金)【終了】
 
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