enpaku 早稲田大学演劇博物館

企画・特別展

─ 大道具師中村儀右衛門 と芝居画家山田伸吉 ─

芝居町道頓堀の風景

会期:2014年12月18日(木)- 2015年2月4日(水)
休館日:12月23日(火)- 1月7日(水)、11日(日)、12日(月)
会場:演劇博物館 常設展示3階 近世コーナー
主催:関西大学大阪都市遺産研究センター 早稲田大学坪内博士記念演劇博物館
参加無料

明治19年(1886)に大阪市西区京町堀に誕生した関西大学は、平成28年(2016)に創立130周年を迎えます。平成17年(2005)には、大阪の地に生まれ、育まれた本学に、大阪を研究するためのセンターとして「関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター」が、平成22年(2010)には、その後継事業である「関西大学大阪都市遺産研究センター」が、文部科学省の助成事業として設立されました。
豊臣秀吉による大坂築城以来、大阪は都市として大いに賑い、江戸時代には、江戸・京都と並び「三都」と称されました。商都大阪の繁栄は、さまざまな文化を生み出しましたが、来年、開削から 400年を迎える道頓堀は、大阪文化の中心地として、多くの人々を魅了してきました。
関西大学大阪都市遺産研究センターでは、「道頓堀五座」と呼ばれる芝居小屋が立ち並んでいた芝居町から、現在では「食い倒れ」の町として海外にまで広く知られる道頓堀のあゆみを、歴史学・建築学・情報学などから学際的に研究を進め、平成25年(2013)には、関西大学と道頓堀商店会の連携協定が締結されました。
このたび、平成 20年(2008)5月に関西大学と早稲田大学とで締結された連携協力協定の一環として、早稲田大学坪内博士記念演劇博物館で開催するコラボ展「芝居町道頓堀の風景-大道具師 中村儀右衛門と芝居画家 山田伸吉-」では、明治から昭和にかけて芝居町道頓堀を支えた二人の人物に焦点をあてます。中村儀右衛門は、明治23年(1890)に東京・向柳原の柳盛座を建築したのを皮切りに、劇場大工として角座・浪花座・弁天座や梅田歌舞伎など大阪の劇場建築を手がけただけでなく、大道具師としても活躍しました。一方、山田伸吉は、大正12年(1923)に開場した大阪松竹座の座付美術家として舞台意匠などを手がけたほか、油彩芝居画という彼独自の世界を生み出しました。芝居町道頓堀を裏方として支えた二人を通して、かつての道頓堀の風情を感じていただければ幸いです。

なお、コラボ展に関連したフォーラムを、平成27年1月 24日に関西大学東京センターで開催します。あわせてお運びください。

本事業は、平成26年度関西大学創立130周年記念特別研究費(なにわ・大阪研究)〔研究代表者:長谷洋一〕ならびに第43回(平成26年度)三菱財団人文科学助成を得て開催されます。

展示内容
「劇場図面類」 「大阪の劇場大工 中村儀右衛門資料」より
「大道具帳」 「大阪の劇場大工 中村儀右衛門資料」より
「道頓堀今昔」 山田伸吉画・長谷川幸延賛
油彩芝居画/油彩芝居画下絵 山田伸吉画
(いずれも関西大学大阪都市遺産研究センター所蔵)

 

 

「道頓堀今昔」山田伸吉画・長谷川幸延賛


「浅草 宮戸座」山田伸吉デッサン


「仮名手本忠臣蔵 門外」山田伸吉油彩芝居画下絵


「歌舞伎十八番 助六由縁江戸桜 三浦屋店先の場」山田伸吉油彩芝居画
(いずれも関西大学大阪都市遺産研究センター所蔵)

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