enpaku 早稲田大学演劇博物館

第二章 近松半二作品図鑑

近松半二――奇才の浄瑠璃作者

第二章 近松半二作品図鑑

処女作「役行者大峰桜」から絶筆の「伊賀越道中双六」、そして死後刊行された『独判断』まで、近松半二が署名した全六十二作品について七行本正本、番付、絵尽しなどの図版を掲げる。紙幅の関係から全ての番付・絵尽などを掲載することは能わなかったが、正本内題・作者連名や公演関連資料の図版によって半二作品の全てを通観する「作品図鑑」である。

浄瑠璃作品はすべて、項目名が作品タイトル〔たいとる〕となっており、解説には①初演年月②初演劇場③角書 内題④内題下⑤本文末・刊記等の作者署名⑥作品内容などを基本的に原資料の表記によって列記した。ただし作品名読みで通用と原資料表記とに異同がある場合は、通用を採用した。解説における作者連名等は初版の七行本正本の表記を採用し、必要に応じて他資料における表記も記す。また角書を含め改行は/で示した。正本図版は、初版あるいは初版に近い版の館蔵品の図版を掲出し、作者連名に異同がある場合は参考として他館の図版を掲載する場合もある。初演劇場の表記は『義太夫年表』近世篇における表記を基本としつつ、適宜番付も参照している。

また、半二作品に使用されるものを中心に、演劇博物館の所蔵する人形の名品を紹介する。

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