縦22.7×横16.4cm
長唄正本は「薄物」と称されるように、1作品3、4丁程度の極めて薄い唄本である。そのため散逸しやすいが、上演時に特定の版元から発売される絵表紙正本、稽古用の字表紙正本、またそれらの再版異版をも含め膨大な曲数が134冊の和装本に合綴されたのが、六合コレクションである。旧蔵者の6世六合新三郎(1859~1927)は別号を如調といい、明治期の歌舞伎囃子方であるいっぽう、音曲研究家としても知られ、貴重な長唄正本を多数収集した。その収集は能楽囃子伝書にも及ぶ。のち、コレクションは安田善次郎の所有するところとなり、演劇博物館に寄贈された。