
本紙:縦23.9×横15.1cm
上演年月や役者名も不明ながら、江戸中期の浮世絵師勝川春章(1726~92)自筆の下絵として貴重である。左袖に市川家の紋である三升が見え、その一門の役者を描いたものであろう。墨を用いて荒事風の人物を描いた中判の草稿で、ところどころに彩色を施すほか、彩色の指定を書き入れている。このような草稿が絵師から彫師へと渡り、版を起こす順序となる。春章は鈴木春信の影響をうけつつ、繊細でかつ写実性のある独自の画風をうち立て、勝川派の祖となった。
本紙:縦23.9×横15.1cm
上演年月や役者名も不明ながら、江戸中期の浮世絵師勝川春章(1726~92)自筆の下絵として貴重である。左袖に市川家の紋である三升が見え、その一門の役者を描いたものであろう。墨を用いて荒事風の人物を描いた中判の草稿で、ところどころに彩色を施すほか、彩色の指定を書き入れている。このような草稿が絵師から彫師へと渡り、版を起こす順序となる。春章は鈴木春信の影響をうけつつ、繊細でかつ写実性のある独自の画風をうち立て、勝川派の祖となった。