enpaku 早稲田大学演劇博物館

日本演劇 — 近世 歌舞伎

Utagawa Toyokuni I, with a Handwritten Poem by Ota Shokusanjin  shibaraku

初世歌川豊国画  大田蜀山人賛「暫」(しょ せい うた がわ とよ くに が おお た しょく さん じん さん しばらく)

 

shibaraku_ms

縦40.2×横29.8cm

初世豊国は歌川豊春のもとで学び、寛政~文化期(1789~1818)にかけて一世を風靡した浮世絵師である。その人気に乗じて、彼の手になる役者絵は夥しい数に及んだが、本図は肉筆で「暫」を描く。賛は蜀山人こと大田南畝の自筆で「しはらくの 声なかりせは 雪のふる 顔みせいかて 春をしらまし 蜀山人」と狂歌が添えられている。南畝も芝居好きとして有名で、製作は2人が活躍した文化中期までと考証される。依頼によって特別に作られた作品であろう。