縦8.7×横9.6×高13.0cm
『南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)』『椿説弓張月(ちんせつゆみはりづき)』などで知られる江戸後期の読本作者、曲亭馬琴が使用した陶製の枕。馬琴は青年期は旗本屋敷に仕えたが、24歳で山東京伝の弟子となり文筆活動を開始、多くの登場人物を巧みに描写することに秀で、長編の名作を多く世に出した。この枕は近代のジャーナリストとして活躍した長谷川如是閑の旧蔵である。彼は政治経済について鋭い批判を行う一方、前近代から継承される職人の世界や、その技を愛する一面もあった。