縦18.0×横44.5cm
明治22年(1889)大晦日の日付で、5世菊五郎から円朝に宛てた私信。円朝が所蔵する数幅の幽霊画を返却するにあたっての礼状である。円朝(1839~1900)は近代落語の祖と位置づけられ、「怪異談牡丹燈籠(かいだんぼたんどうろう」「真景累ヶ淵(しんけいかさねヶふち)」等の怪談噺を創演し、人気を博した。幽霊をお家芸とする菊五郎との交流は深く、円朝口演に題材をとった怪談狂言も菊五郎は多く上演している。この手紙は河竹黙阿弥筆と伝えられたが、弟子の竹柴其水の筆跡とも考えられる。