
縦174.0×横220.0cm
明治30年(1897)3月東京神田三崎町(現JR水道橋駅の南側)に東京座が新築落成した際、劇場表に掲示された乍憚口上(はばかりながらこうじょう)(観客への挨拶)と、上演中の「国性爺合戦」絵看板を屏風に仕立てたもの。絵看板は4世鳥居清忠の筆、口上は福地桜痴の揮毫。演劇改良運動の中心人物であった桜痴は、能書家としても知られた。「国性爺合戦」は9世市川団十郎の和藤内、市川寿美蔵の母、市川八百蔵(後の7世中車)の甘輝、中村福助(後の5世歌右衛門)の錦祥女という豪華版であった。5世歌右衛門旧蔵、明治の劇界を髣髴とさせる資料である。