A
B
A:縦24.8×横17.2cm
B:縦25.1×横17.1cm
20世紀を代表する名優6世尾上菊五郎(1885~1949)は、5世の実子。父の方針により9世市川団十郎のもとへ預けられ、心の表現を重視する団十郎の芸風を学んだ。菊五郎は父5世が得意とした江戸前の役を継承するとともに、数々の新作をも手掛けたが、常に緻密な役作りの研究を怠ることはなかった。書抜(B)は興行ごとに作成され、役者それぞれのセリフを箇条書きに書き抜いたもの。これによってセリフを覚えるが、2度目に演じる興行からは書抜は渡されないのが前提なので、役者は使用後も書抜を大切に保存した。台本(A)は自身の出演作以外も記録や参考用に収集している。