縦19.1×横12.2cm
南条踊は山口県岩国市に伝わる芸能で、安土桃山時代に伯耆国(鳥取県)羽衣石城主南条元続との戦に勝利した吉川元春が、南条方から踊りを授かり伝えたのが始まりとされる。本書は南条踊について、諸文献の記事をまとめた写本。「古今南条踊雪の玉水」と内題があり、その由来、異説、慶安1年(1648)8月に催された踊りの出演連名、また演目名だけでなく、太鼓の打ち方や歌詞の細かな字句説明までが書かれる。文献が乏しい民俗芸能のなかで、近世における実演の実態が知られる貴重な資料。「文政六未秋葉月」(1823年8月)編集の奥書がある。