写真上から《30398》:縦23.0×横23.5×高14.0cm
《30397》:縦24.5×横23.5×高14.0cm
6世尾上菊五郎は、9世市川団十郎に厳しく仕込まれた舞踊の名手でもあった。立役女形ともに秀でた彼は、前半に清純な女小姓弥生、後半に勇猛な獅子の精を踊り分ける難曲「鏡獅子」を最大の当り役とし、師団十郎が初演したこの作品を一躍人気曲とした。雌雄一対に飾ったうち、弥生が手にした雄の手獅子に魂が宿るという重要な小道具だが、木彫の造形が優れているだけでなく、非常に軽く作られ、扱い易いよう工夫されている。