高120.0cm
「嬢景清八嶋日記(むすめかげきよやしまにっき)」(明和1年〈1764〉10月初演)日向島の段に登場する悪七兵衛景清の人形。人形遣い・五世桐竹門造が使用し、演劇博物館に寄贈されたものである。首(かしら)はこの作品専用の「景清」で、段切近く、自ら抉り取った眼を開けて娘の顔を一目見ようとする場面では、眼窩が赤く変化する仕掛けが施されている。「嬢景清八嶋日記」の同段は、豊かな才能を持ちながらも作者として不遇に終わった田中千柳最後の作品「大仏殿万代石楚(だいぶつでんばんだいのいしずえ)」(享保10年〈1725〉10月初演)の三段目切をそのまま嵌め込み、今日まで名作として伝承されている。